ドライアイってなんなんですか!?(診断編)

「ドライアイ」
人間の方ではコンタクトレンズが原因のドライアイが
よく診断されるので、みなさんも馴染みのある病気かと思います
犬でもこの病気があるのは知ってる人も多いんですが、
ドライアイという名前から単に水(涙)の足りない病気と
誤解している人も多いんではないでしょうか?
正しい知識で予防と早期発見をして
愛犬の眼を守りましょう!

 

そもそも涙ってどんな感じ?

眼の表面には涙の膜(涙膜:tear film)があります。
その涙膜の異常を原因とした
角膜・結膜の異常や眼の不快感・視覚機能の低下などの
症状の発生をドライアイと呼びます。
この涙膜は3層構造をとっており外側から
油層・・・・涙の蒸発を抑える、マイボーム腺から分泌
水層・・・・涙膜の大半を占める、涙腺から分泌
ムチン層・・水分を角膜に保つ作用、
結膜の杯細胞・角膜上皮細胞から分泌
となっています。(下図参照)
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ドライアイの原因は涙膜の異常だ!

上述したようにドライアイの原因は
涙膜にあるといっても過言ではありません。
涙膜のどの部分に異常があるかを見つけ、
その部分ごとに治療していきます。
部分ごとの原因はそれぞれ、
油層・・・・マイボーム腺の詰まりが原因
油が固まっているだけのこともあれば
眼瞼の炎症で油が出にくくなっていることも
拡大鏡でマイボーム腺を観察して診断する
水層・・・・涙腺の萎縮による水分の低下が原因
STT(Schirmer tear test:涙の量の測定)にて判定
涙腺の免疫性の炎症が原因と考えられている
ムチン層・・杯細胞からのムチン分泌低下
BUT(tear break up time:涙膜の破砕時間)にて診断
あまりこれが主原因であることは少ない(と思われる)
と意外と簡単に診断できます。
あとは治療だけ。この治療が根気が必要で難しいんですけどね;
それぞれの治療法は次回
「ドライアイ、ドライアイってなんなんですか!?(治療編)」
にてお伝えします!

6 件のコメント

  1. タムラサナエ 返信

    診察を受けて不安になってることがあります。
    腎疾患を患って自宅で内服薬と点滴治療を一日おきにしております。
    不安を感じているところとは先日診断をされたデスメ瘤の手術の時の麻酔なのです。腎臓の一つはほぼ機能しておりません。その状態でも全身麻酔を入れて本当に大丈夫でしょうか?

  2. くじら獣医 返信

    タムラサナエ様 コメントありがとうございます
    デスメ瘤の状況にもよりますが、まだ角膜穿孔(角膜に穴が開く)していないのであれば、眼瞼縫合だけで様子を見るので大丈夫です。
    点滴が必要な状況なのでかなり腎臓は悪いと思います。治りが悪ければ最悪手術という選択肢になります。
    まあさちゃんですよね??

  3. くじら獣医 返信

    まぁさのおかあにゃん様
    テニスの場所までありがとうございます。^^
    もうちぃと、うまくなったら活用しますね。
    房水(眼の水)も出ていなかったので安心しました。
    このままいけば手術は不要だと思います!

  4. 小梅の母 返信

    くじら先生、先日は小梅がお世話になりまして・・・。
    お薬が効いたのか、小梅、どろっとした目やにが出なくなりました。
    もっと早くに気づいてあげればな・・・と後悔しきりです。まさか、犬のドライアイがあるなんて・・・衝撃でした。
    今度は2月に診せに行きますね。
    その時はどうぞ、よろしくお願いいたします。

  5. くじら獣医 返信

    小梅の母様
    ドライアイは涙が少なくなるだけではないんですよね。
    わかりにくいですが、ドライアイの定義も何度も改訂されていますから、実際には「まだよくわかっていない」というところなのでしょう。
    特に、日本とアメリカでは少し考え方も違いますから、症例に合わせて治療していくのが、現在のセオリーとなっています。

  6. 小梅の母 返信

    くじら先生、こんばんは。
    小梅、目やにが出なくなって、お散歩のあと、目やにをふくことが少なくなりました。
    来年2月に「わんにゃんドック(アイチェック付き)」に小梅を連れて行きます。
    くじら先生、開業されるのですね。。小梅の白内障、初期のうちに発見してくださってありがとうございます。先生の後継者となる先生、いらっしゃいますよね?

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