犬の白内障手術について詳しく知ろう

こんにちは!くじらです
今日はついに白内障手術についてです
手術するために大切なこと
用意しておくべきことなどをお話しします
白内障手術後IMG_2679.jpg


白内障手術において最も重要なのは
そのわんちゃんが白内障手術ができるか否かという点
我々獣医は手術前にこれを念入りにチェックするわけですが
↓ のような点をチェックしています
・麻酔がかけられるかどうか
・眼が見えているかどうか
・動物が入院や点眼治療をできるかどうか
・眼の他の病気がないかどうか
・瞳孔が動くかどうか
・オーナー様が手術後の合併症を理解しているかどうか
・白内障のステージ
たくさんあります;;
一つずつ見てみましょう

・麻酔がかけられるかどうか

これは当たり前なのですが結構忘れられがちです
白内障は糖尿病やステロイド剤の長期投与などにより
起こることがあります
これらの病気やそれ以外の病気により
白内障手術で必要な麻酔時間(40~120分程度)に
耐えられないような場合は手術不可能となります

・眼が見えているかどうか

「眼が見えないから手術するんじゃい!」
と思ったかもしれませんね^^;
言い換えると
「手術で眼が見えるようになるかどうか」ということです
網膜変性、網膜剥離などの病気が起きていると
白内障が治っても眼は見えません
超音波検査や網膜機能検査をして
眼が見えているかどうかを確認します

・動物が入院や点眼治療をできるかどうか

実は合併症にかなり影響するのがこれ!
簡単に言うと「どうぶつの性格」です
手術直後の入院中にワンワン、ワンワンしたり
目薬で嫌がったりすると
眼の中で炎症がおきたり、術後緑内障になったり
お家で目薬の先端で眼をつついてしまったり、、、
くじらの病院では
そういうわんちゃんには入院、目薬の訓練をしてから
手術に臨んでもらうことにしています

・眼の他の病気がないかどうか

緑内障や、水晶体脱臼などの
白内障以外の病気が併発している場合には
手術の合併症の危険性が高いため
基本的には手術はやりません(したくありません、、、)
また、ダックスフントなどに多い網膜変性という病気は
白内障を誘発することがしられており
この病気の有無も手術の結果に大きく影響します

・瞳孔が動くかどうか

前にお話しした虹彩萎縮などにより
瞳孔の動きに制限がある場合も
その程度によっては手術できないこともあります
白内障手術は瞳孔の裏側にある水晶体に
手術を行うため、基本的に瞳孔を広げるお薬を
使って散瞳させます
虹彩萎縮ではそのお薬により瞳孔が裂けて出血したり
全く瞳孔が開かなかったりするため
散瞳ができないというリスクがあります

・オーナー様が手術後の合併症を理解しているかどうか

犬の白内障手術の成功率は約90%と言われています
残りの10%ではなんらかの合併症が起こってきます
角膜の混濁や一時的な出血といった軽いものから
網膜剥離、緑内障など重度のものまで様々です
わんちゃんの眼は人間に比べてとても炎症が起こりやすく
重度の長期の炎症は合併症を引き起こします
そのために手術後は5日~7日入院をして
状況に応じた投薬治療が必要です
これを理解できていない場合には
何度もお話しして理解していただく必要があります

・白内障のステージ

白内障のステージについては前回お話しした通りですが
人間では多くは初発・未熟白内障で白内障手術がされています
犬ではどうか?
たいていの場合成熟・過熟白内障で白内障手術がされています
つまり犬ではステージが進んだ段階で手術をしています
当然手術のリスクも増していきます
また、過熟白内障の進行したものでは手術自体できません
若年性や糖尿病性など明らかに急速に進行する場合には
なるべく早いステージでの手術が勧められます
これだけの項目をクリアしてやっと手術ができるんですね!
長々と書いてしまいましたが、
わかりにくい部分があればまた詳しくお話ししますね^^/

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